5年の間に居酒屋業界の収益は下降気味
会社四季報業界地図2016年度の統計によれば2011年度から2015年度にかけて、大手居酒屋チェーン4社の営業利益率は年々落ちています。
営業利益率が落ちてしまった背景には、コンビニの影響と、ファミレスの影響が大きくあります。
コンビニは、最近の若い単身層世帯向けに様々な惣菜メニューを販売しており、アルコール類と一緒にお持ち帰りをすれば、自宅で手軽に居酒屋気分を味わうことができるでしょう。
さらにファミレスでも夜の来客層を狙い、居酒屋よりも安い金額で枝豆やから揚げ、コロッケなどの単品メニューの提供やアルコール類も種類豊富に用意しているため、居酒屋ではなくファミレスで料理と酒を飲んで楽しむという顧客層も増えてきました。
低料金でお酒を楽しむことができるため、居酒屋ではなくコンビニやファミレスなどに流れる客層も年々増えてきたことによって、居酒屋業界の収益は年を追うことに次第に減ってきてしまったのです。
総合居酒屋の需要も減ってきています
大手総合居酒屋チェーングループの勢いは、需要が減ってきたため、利用者も少しずつ減ってきました。
都市部でも総合居酒屋よりも、個人が経営しているような味や料理、サービスなど他と差別化した居酒屋の方が好まれる時代になりました。
これは居酒屋を利用する顧客のニーズ自体が変わってきたからでしょう。
大手総合居酒屋チェーングループの良い所は、全国にお店があるということや、どの店に言っても無難な失敗のない定番メニューを食べることができるということです。
しかしこれでは利用する顧客の方に飽きがきてしまい、新鮮味のある新参店の居酒屋に足を運びたくなるというのが心情かもしれません。
良質な海の幸で差別化を図るなら
生き残ることが出来るのは、差別化を図った居酒屋
現在の居酒屋の現状はとても厳しいものだと判断せざるを得ません。
誰もが儲かると信じてきた大手居酒屋チェーングループさえ、売り上げを年々落としてきている時代です。
生き残るためには、他店とは差別化を図った居酒屋でなければならないでしょう。
例えば、そのお店でしか味わうことが出来ない特別なメニューや特別なサービスがあるお店でなければ、わざわざ顧客が足を延ばすこともありません。
顧客の方からすれば、居酒屋と同等レベルの酒のつまみとお酒は、コンビニやファミレスで居酒屋よりも安く手に入れることができます。
そのためそれ以上のプラスアルファが居酒屋になければ、居酒屋でお酒を飲む価値がないからです。
厳しい現状の中で生き残るためには、客が満足できる料理やサービスの品質の高さや他では味わうことが出来ないそのお店のオリジナリティが求められるのではないでしょうか。